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【学生・新人・若手PT向け】脳卒中後に良くなるメカニズムとは?脳の可塑性について

2021年8月10日

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【学生・新人・若手PT向け】脳卒中後に良くなるメカニズムとは?脳の可塑性について

2021年8月10日

ゆーたか

脳卒中ってどういう仕組みでよくなるの?

悩み事を抱えている人

脳卒中リハビリでは、脳の可塑性っていうのが大事らしいんだけど、本読んでみても難しかった。

考えてる人

こんにちは。 ゆーたかです。

以前、脳卒中の理学療法は何から学べば良いか?という記事でも脳の可塑性の重要性に触れていました。

合わせて読みたい

脳卒中の可塑性はとても大切な概念です。 

だけど教科書を読んでみてもちょっと分かりにくかったりしますよね。

今回は脳損傷後の脳の可塑性について、どんな仕組みがあるのか、脳卒中の認定理学療法士である私がなるべく簡単にお伝えしようと思います。

可塑性を学ぶ重要性

悩んでるセラピスト

そもそも可塑性を学ぶ必要はあるの?

考えてる人

リハビリをする上でどういうメカニズムで良くなるかを知っておくと結果が変わってきます。

理学療法士がリハビリをするにあたって、どういう治療を選択すればいいか?

 限られた単位や期限の中で効果的より治療効果の高いものを選択しますね。 

治療効果を考えるにあたって、良くなるメカニズムを知っておくというのはとても大事なことになります。

むしろ改善するメカニズムがわかっていないまま治療しても、判断基準がないためにとても迷いますし結果も出にくいですもんね。 

可塑性とは

神経系は外界からの刺激などによって常に機能的な変化、構造的な変化を起こしています。

脳内でのこうした神経組織・回路の変化しうる性質を『可塑性』と呼びます。

うーん。

ちょっと難しいですね。

とりあえず可塑性とは脳の神経系も変化するということです。

筋肉や関節可動域などは目に見えて分かりやすいですよね。

だけど目に見えない神経系も変化します。

 例えばスポーツでスキルが向上したりすることも神経系に変化が起こった結果といえます 。

患者さんの歩き方が変わるなども変化ですね。

可塑性のメカニズムは? 

では、脳の可塑性はどのようなメカニズムなのでしょうか。

脳の可塑性メカニズムは大きく「局所的変化」と「脳の再組織化」に分けることができます。

局所的変化

前者の局所的変化とは、損傷部位周辺の変化の事を指します。

局所的変化には

  1. ①浮腫の改善
  2. ②ペナンブラの改善
  3. ③ディアスキシスの改善

の3つがあります。

①浮腫の改善

脳梗塞あるいは脳出血後は一時的に周辺細胞に浮腫が生じます。

細胞自体は生きていても浮腫により圧迫されて虚血状態になり、その影響で一次的に麻痺などの症状がでていることもあります。

これは浮腫が自然に吸収されれば症状改善する可能性があります。

浮腫の改善時期は発症後数週間~2か月程度と言われています。

②ペナンブラの改善

ペナンブラとは、脳の虚血部周囲の壊死はしていないものの、機能不全の状態に陥っている部分のことを指します。

一次的なシステムダウンみたいな感じですかね。

tPAなど早期治療が行われ、血流が再開すれば、ペナンブラが改善され、脳機能の回復が期待できます。

ペナンブラの改善時期は数時間~数週間程度と言われています。

③ディアスキシスの改善

ディアキシスとは、脳の損傷部位とは隣接していないが、神経線維によって連結されている遠隔で繋がっている部分が一時的に代謝や生理機能が不全となることです。

小脳の障害なのに、離れた部位である前頭葉に症状が出たりします。

ディアスキシスの改善時期は数日~数か月間と言われています。

以上、3つ紹介しました。これらは主に医者などが治療や内服管理で調整します。

​脳の再組織化について

次に紹介する脳の再組織化は運動療法によって変化することが考えられています。

理学療法をする上で必ず知っておきたい知識です。

脳の再組織化とは、損傷後に脳の構造や機能が変化することを指します。

代表的な変化として

  1. ①神経側芽
  2. ②アンマスキング

があります。

①神経側芽

神経側芽とは、神経細胞が損傷されるとその細胞に代わって近傍の神経細胞の軸索から神経線維が伸びていく現象のことです。

損傷後、新たな神経経路が​ニョキニョキと伸びてくれて神経ネットワークが再構築されます。

これは数週間から数か月間起こるといわれています。

②アンマスキング

アンマスキングとは、元々神経回路としては接続され存在していて、普段は神経的に抑制されている神経回路が、脳卒中などで神経細胞が損傷することによりあらわになり、神経回路の伝達が再開される現象のことです。

もともと覆い隠されていた(マスキングされた)神経が解放されるって感じですかね。

スポーツでいうと、スタメン選手がケガしたから控え選手が代わりに試合にでるみたいな。

例えば随意運動をつかさどる皮質脊髄路があります。

皮質脊髄路の85%は延髄で交叉し、随意的運動の役割を担っていますが、残存する15%は通常興奮しないようにマスキングされています。これがアンマスキングされることで運動障害の回復が見られたりします。

脳の再組織化は発症直後から始まり、数か月続くと言われています。さらに広範な脳の神経ネットワークの再建化は数年単位で続くともいわれています。

で、とても大事なことですが、脳の神経ネットワークの再建化はリハビリの量や質、難易度調整などが影響を受けやすいことも報告されています。

ではどんなリハビリが脳の再組織化に良いのか、、、

、、、すみません!

それは今後また紹介していきます。

今回は脳の可塑性についての説明でした。

もっと詳しく知りたいよという方はこの本を読んでみて下さい。

論文を片っ端から読むよりも、体系的にまとまった成書から読んだ方が身につきます。

どの順番から学ぶかもとても大事です。

また書籍を読む時間がない方へ朗報です。

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お試し動画もあるのでこちらもよかったらどうぞご覧ください。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

ではまた。

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